どんなに注意していても、山では怪我をすることがあります。登山中に怪我をした場合、病院まで搬送されるまでに時間がかかることも多いため、適切な応急処置の知識は命取りになりえます。今回は登山でよく起こる怪我と、その場でできる応急処置をまとめました。
1. 捻挫(足首)
登山で最も多い怪我のひとつです。不整地での歩行中に足首をひねって起こります。
応急処置(RICE処置)
- Rest(安静):歩行を最小限にする
- Ice(冷却):冷水やアイスパックで冷やす(20分冷やして20分休む)
- Compression(圧迫):テーピングや包帯でしっかり固定する
- Elevation(挙上):心臓より高い位置に足を上げる
テーピングの巻き方を事前に練習しておくことをおすすめします。キネシオロジーテープより、ホワイトテープの方が固定力が高いです。
2. 靴擦れ
長距離を歩くと靴と皮膚が擦れてマメや靴擦れができます。予防には靴下を二枚重ねにするか、ファイントラックなどの摩擦軽減インソックスが効果的です。
応急処置
- 水ぶくれができたら無理に潰さない
- モールスキンパッドや水ぶくれ専用テープを貼る
- 潰れてしまった場合は清潔に消毒し、大きめの絆創膏で覆う
3. 膝の痛み
特に下山時に膝の外側や内側が痛くなる「登山膝」は多くの登山者が経験します。
予防と対処
- トレッキングポールを使用して膝への衝撃を分散
- ジグザグに下山して一歩あたりの衝撃を減らす
- 膝サポーターの装着
- 痛みが強い場合はNSAIDs(ロキソニンなど)で炎症を抑える
4. 熱中症
夏の低山や樹林帯では熱中症のリスクが高まります。
症状と対処
- めまい・頭痛・大量の汗:日陰で休み、水分・塩分補給
- 体が熱い・皮膚が赤い・意識がもうろう:すぐに体を冷やし救助要請
5. 低体温症
濡れた状態で風にさらされると、気温が10℃以上あっても起こりえます。
対処法
- 濡れた衣類を乾いたものに着替える
- ツェルトやエマージェンシーシートで風を遮断
- 温かい飲み物を与える(意識がある場合のみ)
- 重症の場合は絶対に無理に動かさず救助を待つ
まとめ
応急処置の知識は「備えあれば憂いなし」の典型です。山に行く前に日本山岳救助機構(jRO)への入会や、登山ファーストエイド講座への参加も検討してみてください。知識と装備があれば、いざというときに自分と仲間を守ることができます。
よくある質問
Q. 登山用ファーストエイドキットに入れるべきものは?
絆創膏(大小各種)・ステリストリップ(傷口を閉じる)・テーピング(伸縮・非伸縮両方)・消毒液・痛み止め(ロキソニン)・アルミブランケット・ホイッスルが基本セットです。
Q. 怪我をして自力下山が難しい場合はどうする?
無理に動かずその場で救助要請してください。スマホで110番(警察)か119番(消防)に電話し、現在地(山名・コース・GPSの位置情報)を伝えます。YAMAPの「緊急連絡」ボタンからSOSを送ることもできます。
Q. 登山で蜂に刺されたときの対処法は?
まず刺された場所から速やかに離れてください(蜂は集団で攻撃します)。刺された部分を流水で洗い流し、アレルギー反応(呼吸困難・全身の蕁麻疹)が出た場合はすぐに救助要請を。エピペンを持っている方は迷わず使用してください。
📝 この記事を書いた人
かずまる|登山歴10年以上。関東近郊の低山から北アルプスの縦走まで年間20〜30回のペースで山に登っています。過去の失敗と成功の両方から学んだ、本当に役立つ登山情報を発信中。モットーは「安全に、楽しく、長く登山を続ける」。


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